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甲南大学出版会 (3件の登録商品)

実業家 平生釟三郎の社会奉仕の理念

近代化する日本で、実業界、教育界、政界など、様々な分野で業績をあげた平生。
彼の書き残した膨大な日記より、大正期から第二次世界大戦終戦時までの日本社会の実像を読み解く。
平生はどのような社会を目指していたのか? 現在に通じる理念とは?

《目次より》
第1部 消滅する武士道精神と商道徳の退廃

 第1章 第一次大戦前夜の軍部の疑獄事件
  第1節 シーメンス事件
  第2節 戦艦金剛をめぐる疑獄事件

 第2章 第一次世界大戦と成金の叢生
  第1節 立憲体制下の藩閥官僚政治
  第2節 陸続と台頭する船成金
  第3節 戦時海上保険補償法
  第4節 モラル・ハザード
  第5節 物価上昇と米騒動

 第3章 商道徳の退廃と誤った金融政策が大正9年大恐慌を誘発する
  第1節 スペイン風邪の猛威
  第2節 戦後不況―「船浮かべば船主沈み船沈めば船主浮かぶ」―
  第3節 戦後バブル経済と高橋是清蔵相の物価上昇容認論
  第4節 大正9 年恐慌―「財界大反動」と「商業上の徳義」の消滅―
  第5節 銀行取付けの連鎖

 第4章 関東大震火災と火災保険問題
  第1節 火災保険金支払いは法理上の問題か、それとも社会問題か
  第2節 財界の思惑と政府の方針―法理を超越する詔勅と告諭―
  第3節 東西両保険会社間の保険金支払いをめぐる対立と政府の折衷案
  第4節 火災保険法案は政友会の「握潰」にあって廃案
  第5節 「 民衆の力や偉大なり」

 第5章 昭和金融恐慌-万策尽きた神戸の雄傑金子直吉と松方幸次郎-
  第1節 震災手形2 法案をめぐって
  第2節 金融恐慌の引金となった鈴木商店と台湾銀行の癒着
  第3節 第十五銀行の休業と川崎造船所倒産の危機
  第4節 モラトリアムと裏白200 円札

第2部 平生釟三郎、日本社会をliberate する

 第1章 学校教育を官僚的干渉よりliberate する
  第1節 甲南中学校の創立
  第2節 教育の本義は「天賦の知能をpull out」することにあり
  第3節 「白亜城事件」
  第4節 拾芳会
  第5節 理化学の基礎研究の場としての大阪帝国大学の創設
  第6節 平生釟三郎の女子教育論
  (1)女子教育の要は人間として全人格を自覚せしめるに在り
  (2)羽仁もと子の自由学園
  第7節 甲南高等学校校長を退任し後任を天野貞祐に託す

 第2章 労働・社会運動と購買組合
  第1節 平生釟三郎と岡本利吉
  第2節 平生釟三郎と那須善治―灘購買組合の誕生―
  第3節 平生釟三郎と賀川豊彦

 第3章 療病を営利的医術よりliberate する
  第1節 病人本位の病院とは
  第2節 難航する病院建設資金問題
  第3節 財団法人甲南病院の認可と設立

 第4章 産業・貿易をliberate する
  第1節 大阪自由通商協会の設立と商工立国への道
 (1) 大阪自由通商協会の設立
 (2) なぜ木材関税は引上げられたのか
 (3) 鉄関税引上げの是非

  第2節 世界大恐慌下における大阪の自由貿易論対東京の保護関税論
  (1) アメリカの高度保護関税政策に反対する大阪の自由貿易論
  (2) 保護関税擁護論と製鉄業界の官民合同への道
  第3節 自由通商と金解禁
  第4節 イギリスの金本位停止下での井上準之助と高橋是清との金本位制論争
  第5節 平生釟三郎の高橋財政批判
  (1)時局救済事業
  (2)満州事変と放漫な軍事費の膨張
  (3)公債非公募
  (4)続落する対外為替の意味
  第6節 自由通商協会の終焉とロンドン国際経済会議の挫折

 第5章 川崎造船所をliberate し、労資協調体制を実現する
  第1節 強制和議
  第2節 労資協調の実験場としての川崎造船所
  第3節 川崎病院と川崎東山学校
  (1)川崎病院の建設
  (2)川崎東山学校と「コーオプ教育」制度
  第4節 艦船受注をめぐる平生社長の苦悩
  第5節 「海軍工場のextention」と化した川崎造船所

 第6章 訪伯経済使節団の成功と日伯貿易の増大
  第1節 アメリカ排日移民法の成立とブラジル移民への期待
  第2節 海外移住組合連合会会頭に就任
  第3節 移民2分制限法の成立と訪伯経済使節団の結成
  第4節 日南産業株式会社社長に就任

 第7章 文部大臣として国字を漢字の禍害からliberate する
  第1節 2.26事件の衝撃
  第2節 文部大臣平生釟三郎、作家里見弴と教育談義
  第3節 帝国議会での国字・漢字論争と義務教育2 年延長問題
  第4節 帝国美術院建設問題と根津嘉一郎の存在

第3部 戦争責任を皇室に転嫁する軍部とその軍部に翻弄される平生釟三郎

 第1章 満州国の建設と国際社会からの孤立
  第1節 「ロボット国家」満州国の建設とアメリカの反応
  第2節 リットン調査団報告と国際連盟からの脱退

 第2章 北支方面軍司令官最高経済顧問平生釟三郎
  第1節 華北行きへの決断
  第2節 軍司令官最高経済顧問
  第3節 三保幹太郎と外資導入への期待
  第4節 中国連合準備銀行の設立と挫折
  第5節 最高経済顧問職の消滅と興亜院の成立

 第3章 日本製鉄株式会社のフューラー(Führer)平生釟三郎
  第1節 日本製鉄会長―米からの屑鉄禁輸、銑鉄価格問題および減価償却問題―
  第2節 日本製鉄株式会社社長として人事権を掌握する
  第3節 名ばかりの鉄鋼統制会会長ならびに重要産業統制団体協議会会長
  第4節 大日本産業報国会に賭ける平生釟三郎とその挫折

 第4章 「日満一如の精神」とは平生にとって何だったのか
  第1節 日本製鉄と昭和製鋼所との合併問題
  第2節 密山炭鉱開発をめぐる満州炭鉱と日本製鉄との攻防

 第5章 日米軍事力格差の現実と太平洋戦争への道
  第1節 日中戦争を終結させるための平生の三提案
  第2節 日中戦争と仏印進駐の意味
  第3節 厳しさを増すアメリカの対日経済制裁
  第4節 軍機鈍弱・給養不十分な状態でいかに戦うか

 終章 敗戦と平生の「日記じまい」
  第1節 「玉砕」
  第2節 敗戦と平生の「日記じまい」
  文献資料
  人名索引
  事項索引
◇藤本 建夫・著
定価:2,750(税込)

平生釟三郎の栄光と苦悩

明治・大正・昭和初期、甲南学園創立者・平生釟三郎は、日本の近代化と社会奉仕に大きな功績を残した。彼が信条とした理念の中の「人類共存」「報国尽忠」に焦点を当て、社会奉仕と政財界の要職のはざまで苦悩した姿を描いた。
 
【目次より】
第一部 生い立ちから東京海上で活躍するまで
第一章 生い立ち・就学・就業
第二章 東京海上時代の釟三郎
第三章 釟三郎の転機

第二部 釟三郎の教育事業
第四章 拾芳会の設立と発展
第五章 甲南小学校の設立 参加から経営へ
第六章 旧制甲南中学校・高等学校の設立
第七章 釟三郎の教育理念

第三部 社会への関心の広がりと社会事業の開始
第八章 政治的・社会的関心への広がり
第九章 甲南病院の設立

第四部 政治経済活動の展開と多方面での活躍
第十章 釟三郎の政治的活動
第十一章 川崎造船所社長
第十二章 ブラジル移住者支援と貿易の拡大
第十三章 貴族院議員と文部大臣

第五部 戦時体制下での苦闘
第十四章 北支最高経済顧問
第十五章 日本製鉄会長・社長、鉄鋼統制会会長
第十六章 大日本産業報国会会長
第十七章 釟三郎の大東亜共栄圏観と戦争拡大回避の努力
第十八章 日米開戦後の釟三郎
第十九章 釟三郎の晩年
終 章 釟三郎が残した事業 その後
略年譜・主な参考文献
◇松下 豊久・著
定価:1,980(税込)

平生フィロソフィ 平生釟三郎の生涯と信念

甲南大学創立者・平生釟三郎は、学園開学だけでなく、東京海上保険や川崎造船所の立て直し、甲南病院設立など多くの事業に携わり、文部大臣にも就任した。彼を動かしたものはいったい何か?明治から昭和初期に生きた男の生涯と、その人生哲学を、やさしい言葉で読み解く。現代を生きるための‘〝標(しるべ)〟となる一冊。~この男の哲学は今を生きる私たちに何を伝えるのか~
◇𠮷沢 英成・著
定価:1,430(税込)
KOBE自費出版web
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株式会社神戸新聞総合印刷
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