文学・評論・エッセイ
神戸の残り香
成田一徹・切り絵/文
サイズ:四六判・ハードカバー
ページ:184P
ISBNコード: 9784343003461
発行日:2006年2月
ページ:184P
ISBNコード: 9784343003461
発行日:2006年2月
巡る季節、懐かしい港町の匂い…切り絵一徹が刻むかけがえのない神戸。神戸新聞に連載された50編に、30編を加え単行本化。
街も変った。薄っぺらで陰影に乏しい芝居の書き割りのような町。そのままどこかの地方都市の駅前繁華街をそっくり入れ替えてもそんなに異和感はないに違いない。
たしかにあの大震災の影響は大きい。故郷の町が破壊され大切な人を失って、思い出のよすがを根こそぎ奪い取られてしまった――。しかし大本はやっぱり人間業、山を切り崩し古い建物を無闇に取り壊して、開発と街の普請に汲々とするばかりのこの街の姿勢にあったのではないか。
記事の中で僕は続けて、神戸が神戸であった頃の残り香を探して作品にしたい。どっしりと構えた旧居留地の古いビル、山の手の名もない洋館、 造船所に近い古びた飲み屋街。感傷に過ぎるかも知れないが、消えていく風景のオマージュを残したい、と語っている。(はじめにより抜粋)
■目次
大阪商船三井船舶ビル―今日も沈黙の雄叫び
熱を持つ壁―自在で勢いある筆致
モトコー7番街―あの頃鉄兜も売った
諏訪山の証人―眼下の港を見晴かし
茶房JAVA―変わらない音、時間
神戸灯台—優美な港の守り手
JR灘駅―レール挟み聖と俗
諏訪子—主役堂々、半世紀余り
神大の図書館―重厚でモダンな空間
喫茶エデン―漂う心地良い古色
老舗画廊—新開地のゴッホ顕彰
異人館—栄華物語る石塀
椿油づくり―日本一の極上品
華僑墓地—祖国離れ桜下に眠る
地下道入り口—街のタイムトンネル
など
■著者紹介
成田一徹(なりた・いってつ)
1949年神戸市生まれ。38歳で切り絵作家として独立し、週刊誌、月刊誌、新聞などに作品を発表しながら全国で個展を開く。鋭い切れ味をモットーとし、とくにBARの情景を刻んだモノクロの切り絵は20年来のライフワーク。著書に『酒場の絵本』(フェリシモ) 『最新切り絵教室』(誠文堂新光社)『The Cigar Story-葉巻をめぐる偉人伝』(共著 集英社) 『TO THE BAR』(朝日新聞社)ほか多数。
街も変った。薄っぺらで陰影に乏しい芝居の書き割りのような町。そのままどこかの地方都市の駅前繁華街をそっくり入れ替えてもそんなに異和感はないに違いない。
たしかにあの大震災の影響は大きい。故郷の町が破壊され大切な人を失って、思い出のよすがを根こそぎ奪い取られてしまった――。しかし大本はやっぱり人間業、山を切り崩し古い建物を無闇に取り壊して、開発と街の普請に汲々とするばかりのこの街の姿勢にあったのではないか。
記事の中で僕は続けて、神戸が神戸であった頃の残り香を探して作品にしたい。どっしりと構えた旧居留地の古いビル、山の手の名もない洋館、 造船所に近い古びた飲み屋街。感傷に過ぎるかも知れないが、消えていく風景のオマージュを残したい、と語っている。(はじめにより抜粋)
■目次
大阪商船三井船舶ビル―今日も沈黙の雄叫び
熱を持つ壁―自在で勢いある筆致
モトコー7番街―あの頃鉄兜も売った
諏訪山の証人―眼下の港を見晴かし
茶房JAVA―変わらない音、時間
神戸灯台—優美な港の守り手
JR灘駅―レール挟み聖と俗
諏訪子—主役堂々、半世紀余り
神大の図書館―重厚でモダンな空間
喫茶エデン―漂う心地良い古色
老舗画廊—新開地のゴッホ顕彰
異人館—栄華物語る石塀
椿油づくり―日本一の極上品
華僑墓地—祖国離れ桜下に眠る
地下道入り口—街のタイムトンネル
など
■著者紹介
成田一徹(なりた・いってつ)
1949年神戸市生まれ。38歳で切り絵作家として独立し、週刊誌、月刊誌、新聞などに作品を発表しながら全国で個展を開く。鋭い切れ味をモットーとし、とくにBARの情景を刻んだモノクロの切り絵は20年来のライフワーク。著書に『酒場の絵本』(フェリシモ) 『最新切り絵教室』(誠文堂新光社)『The Cigar Story-葉巻をめぐる偉人伝』(共著 集英社) 『TO THE BAR』(朝日新聞社)ほか多数。
定価:1,980円(税込)